なんじょう♡市民大学卒業生インタビュー第3回は7期生の西悠太さん。悠太さんは6年前に沖縄に来られて、その年すぐに市民大学に入校されました。卒業後は持ち前のバイタリティや人当たりの良さでどんどん地域に溶け込み、現在は百名に「mui たびと風のうつわ」という宿をつくり、ご夫婦で営まれています。悠太さんの市民大学に入るきっかけや、市民大学で得たこと、活かされていることなど、美味しい珈琲をいただきながら話を聞きました。
南城市に宿を作りたいという目標があったから
悠太さんが市民大学をどこで知ったのか、入校のきっかけは何だったのかを教えてください。
沖縄に引っ越してくる前から、南城市に嫁いだ姉のもとによく遊びに来ていて、その暮らしぶりを見ていました。妻が2人目の子どもを身ごもり、自然の中でのびのび子育てするのがいいなと考えるようになりました。そして、南城市で宿をやる予定で引っ越してきました。ただ、諸事情ですぐに宿を始める事が出来ず、南城市で就職した先で市民大学を紹介されました。その方もOBだったので、市民大学の話を聞いて面白そうだな、南城市のことをもっと知りたいなと思い、入校しました。
課題の本質はどこにあるのか考えるきっかけをもらった
市民大学でどんな学びがあったのか、印象に残っている講座などあれば、教えてください。
印象に残っているのは、小林政文さん(やんばるのエコツアーガイドをしていて、人材育成や協働事業など幅広く展開する若手のリーダー)のファシリテーションの授業が面白かったです。企画を落とし込んで実践していく活動の授業で、その考え方やファシリテート的なことがとても勉強になりました。あとは、フィールドワークも面白くて、糸数で野草を探したり。個人的には南城市の歴史や人口動態など勉強になりました。
歴史といえば、今年の市民大学生募集チラシには敢えてカリキュラムの詳細を載せていないんです。でも問い合わせいただく中で、南城市の歴史の授業はありますか?とよく聞かれますね。
プロジェクトはどうでした?悠太さんが参加されたのは湧き水プロジェクトでしたよね?
湧き水プロジェクトは温泉ソムリエの資格を持っていて、県内外問わず温泉通のメンバーが発起人でした。その繋がりなのか、湧き水に詳しい、ぐしともこさんと知り合いになったそうです。ぐしともこさんは沖縄の湧き水を研究したり、フィールドワークされている方で本も出版されてます。それがきっかけで、南城市は湧き水が多いのでテーマとして取り組むことになりました。
南城市の湧き水を知ってもらうというのがスタートで、その先にあったのは商品化や運用だったのですが、そこまではできませんでした。でも、湧き水を知ってもらったときに、「湧き水が豊富だとどういうことが起こるのか?」「湧き水はきれいなのかどうなのか?」「なぜ汚くなってしまうのか?」という疑問や問題点と、「未来にどう残していきたいか?どう残していくべきか?」という課題を自発的に考えるきっかけづくりができたと思います。
南城市には知られていないカーやヒージャーが沢山あるんですが、メンバーの独断と偏見でピックアップして、その中からナンバーワンの湧き水を決めようという企画を立てました。それが自主企画講座の【かーオブザイヤーなんじょう湧き水巡り】です。募集をかけて一般参加者も含め30名ぐらいでバスを借りてツアーをしました。
巡った先の区長や地域の方にご協力いただいて、話を聞く機会を設けながらの体験ツアーで、とても楽しいものでした。
私は当時観光商工課にいたので、このツアーのチラシはとても覚えています。新聞にも載りましたよね。名前のインパクトもよかったですね。
市民大学での学びやプロジェクトでの経験が今につながっていることはありますか?
南城市に住んでいる方や一緒に学んだ人たちと色々やっていく中で見えてくる問題点や課題が、宿を営んでいる今も、宿を作ってきた段階にしても、全てが繋がっています。
南城自体がどういうまちなのか、どんなまちにしていきたいのか、とても考えるようになりました。そのきっかけをもらったのが市民大学です。学んだ知識や情報がベースにあるからこそ、本当の課題が疑問として沸いてくるんだと思います。
文化的に歴史的に続いていくこと、脈々と受け継がれていくこと、南城市にはそういうことが色濃く残っていて、それはとても価値があることだと思います。宿を営む上でも、南城市本来の魅力を伝えるにはどうしたら良いか考えるきっかけになっています。
予期せぬ出会いを楽しめば、何事も面白い
これからの市民大学生や市民大学に応募したい、気になっていたり迷っている人の背中を押すひと言をお願いします。
迷っている人に後押しをするとしたら、人と会うことって大事だということを伝えたいです。今までの知人・友人関係の中で人の繋がりが増えるのは自然なことですが、縁のない人と出会える機会は大人になるとほとんどなくなってしまいますから。
市民大学で何が学べるのか、自分のためになるのか、と頭で考える必要はないと思います。予期せぬ出会いがあるので、楽しめば何事も面白いと思います。
編集後記
悠太さんの宿muiは百名の集落に溶け込んでいました。周りには民家があって、畑があって沖縄の日常がそこにありました。宿の中心に位置する囲炉裏がとても印象的で、屋内なんだけど屋外のような。囲炉裏で焚火をすると、火を囲んで別のお客さん同士がふらりと立ち寄って、話をしていたりするそう。自然とつながりあう仕掛けになっています。
悠太さんの話の中で「あいまい」という言葉がよく出てきたのですが、分断されているものの境界線をあいまいにしたいという想いが強くあるそうです。外と中、観光と暮らし、自然と人工物、そういった分断の境界線をあいまいにしたいのだそう。あるがままに、分けなくても色々あっていいじゃないという考え。とても良いなあと思いました。
火曜日から金曜日の13:00~17:00まで宿泊客以外にもカフェとして開放していて(美味しい珈琲とお菓子がいただけますよ)、地域とのつながりも大切にされています。
詳しい情報はHPやSNSで確認してくださいね♪
●HP【mui たびと風のうつわ】
●Instagram:mui_okinawa【mui たびと風のうつわ】
なんじょう♡市民大学に関する記事